『DEAR.』の「Dear.」~わがままな私からあなたへ~

Hey!Say!JUMPのアルバム『DEAR.』に収録されている「Dear.」という楽曲について

 

お話したいと思います。

 

 

 

今回のアルバムは、

 

どことなく「ロミオとジュリエット」を連想させるような作品になっていて、

 

ストーリー性を感じました。

 

 

 

“妖艶” “煌びやか” / “キュート” “ポップ”

 

どちらの姿も楽しめるのが今回のアルバムの見どころだと思います。

 

(アルバムのお話は別の機会に。)

 

 

 

そんな中、今回注目したのはアルバム名と同じタイトルの「Dear.」

 

ちょうどアルバムの中盤に収録されている曲です。

 

 

 

この曲を聴きながら、私の頭にある人が浮かんできました。

 

 

 

「大切な人はいるの?」って聞かれるたびにね あの日を思い出すよ

 

 

と、山田くんの声に導かれながら走馬灯のように思い出が駆け巡りました。

 

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私には14歳から17歳の頃、とても大好きで尊敬している1つ年上の先輩が居ました。

 

大人たちの目から見たらピヨピヨのかわいらしい思い出でしょう。

 

 

 

生徒がほとんど利用しない図書館での待ち合わせ、そこでのすれ違い、

 

物陰になっている放課後の廊下、放送室…

 

 

 

大きな優しさに耐えられず冷たくしてしまったこと、

 

初めて2人で観に行った映画は期待外れで、「面白くなかったね」って笑い合ったなあなんて、書き出したらキリがありません。

 

 

 

 

 

この切り取られた思い出を読んだら、

 

「ああ、この人その先輩のことが好きだったんだな」と

 

恋愛話のスイッチに切り替えることと思います。

 

しかし、不思議に思う方もいるかもしれませんが、

 

「恋人になりたい」「キスがしたい」と思ったことは一度もありませんでした。

 

もちろん好きでした。

 

でも、好きとしか表現する術を持っていなかったとも考えられます。

 

 

 

私はこの曲の冒頭で少しドキッとしてしまいました。

 

 

 

「好きな人いる?」と聞かれることはあっても、

 

「大切な人はいる?」ってなかなか聞かれないですよね。

 

「好きな人」だったら、また変わってくると思います。

 

「大切な人」だから、恋愛感情に限定される話ではないことに気づきました。

 

それと同時に、彼のことを思い出したのです。

 

 

 

 

 

さらに、彼と最後に会った時「大切な人はいる?」と聞かれたことを思い出し、

 

さらに胸が締め付けられました。

 

あの時、なんと答えるのが正解だったのかと。

 

 

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何度も話した夢はまだ―――でも追い続けてるよ

 

 

あの時何を話していたかは思い出せませんが、

 

夢を語り合ったということだけは覚えています。

 

私の夢は少し変わってしまいました。でも、夢は持ち続けています。

 

彼は意志が強く、先々のことを考えている人だったので

 

きっと今も追い続けているのだろうと思います。

 

 

 

 

 

君がくれた想いこそ 僕にとっては生きてく証

 

 

想い” が “生きてく証”というと、ここで言う””は遠い存在のように感じました。

 

私は、彼と連絡を取る術を失っています。

 

(大丈夫です、彼は世界のどこかで生きているはずです!)

 

 

 

最後に会ったとき、私は自分に関わる全てのものから重圧を感じてしまう時期でした。

 

せっかく時間をつくり、私に会いに来てくれたのに、

 

気を使ってくれたり、優しくしてくれることをとても重く感じていました。

 

そして私は、彼に対し壁をつくって冷たくしてしまいました。

 

彼の優しさに甘えきっていたんだと思います。

 

 

 

その日以来、彼から連絡が来ることはなく、私から連絡することもなくなりました。

 

きっと私の態度で思ったのでしょう。「この子に俺はもう必要ないんだな」と。

 

人伝できっと連絡を取ることは可能だと思いますが、それなりに心を決めない限り

 

もう会うことはないと思います。

 

 

 

音楽や映画、本など私の興味の幅を広げ、

 

価値観につなげてくれたのは間違いなく彼です。

 

温かく、優しい愛を持って、私に接してくれていました。

 

それは私にとって"生きていく証"です。

 

 

 

 

 

Dear.

今日の君は 明日の君は 笑ってますか?泣いてますか?

僕の声 そこに届いてますか?

もう今日の僕も 明日の僕も 君しか 胸の真ん中にいない

 

 

 

 

 

と、サビで”親愛なるあなたへ”と手紙が差し出されます。

 

 

 

声はもう届かないけど、私と過ごした日々を思い出して、

 

辛いときにクスッとでもしてもらえているのなら、それだけで嬉しく思います。

 

少なくとも私の胸の真ん中には彼が存在しています。

 

 

 

 

 

ねえ もしも夜明けが来ない日を不意に迎えても 君を見つけられる

形のないものを信じる強さが きっと引き寄せてくれるから

 

 

 

 

 

私も、彼もあの時とは違います。制服を脱ぎ捨て、大人の道を歩き始めたところです。

 

それでも、雑踏の中で奇跡的に出会えるシチュエーションが訪れたら、

 

きっと見つけられます。

 

そして、見つけてほしいです。

 

 

 

そういう柔らかく芯のある想いが、

 

有岡さんの優しく真っ直ぐな歌声で表現されていると感じました。

 

ほんの少しの切なさもありますね…。

 

 

 

その笑顔に 吹き止まない風と想いが凭れたまんま

 

 

ある人を思い出そうとすると、笑顔しか思い出せないんですよね。どうしてだろう。

 

それが逆に涙を誘います。

 

 

 

続くサビで”この先もずっとずっと 伝えたい事が溢れてるんだ

という歌詞があります。

 

それと併せて”吹き止まない風と想いが凭れたまんま”という状態を想像してみると、

 

理解しやすいと思います。

 

 

 

当時伝えられなかったこと、今になって気づいたこと…伝えたいことは

 

受け止めてくれる相手が居なければ受け取ってはもらえず、

 

伝える側も消化することができません。

 

 

 

もう会うことができない相手に対して募らせている想いは、

 

思い出の中の笑顔のその人に頼ることしかできない。

 

そういうことが表現されているのかなと思いました。

 

 

 

 

 

そしてここからは未来の話をしようか、と曲が進んでいきます。

 

 

 

僕らを包む柔らかな未来

何度も綴った想いは 今も変わらずに導いてくよ

たとえ離れてもそばにいるんだ

繋がってるんだ

 

 

 

 

 

 

私からあなたへ、あなたから私へ

 

それぞれの愛はこれからの人生でもきっと手を差し伸べ続けてくれると感じました。

 

2人が共有する愛でなくても、それぞれを包み込み、

 

ふとした時に存在を感じられる愛があってもいいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

「友達以上で恋人以上」

 

と、彼から言われた言葉の意味が、この曲のお陰で分かった気がします。

 

 

 

 

 

「Dear.」という曲をそのまま彼に届けたいです。

 

 

 

というわけで、

 

My Dear…君へ捧ぐ

 

 

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長々と読んで頂きまして、誠にありがとうございます。

 

ご本人たちのインタビュー記事や楽曲解説等を読んだわけではないので、

 

「それは制作者の意図じゃない!」「違う」と

 

思われる方も中にはいらっしゃると思います。

 

しかしここでは私個人の感想や経験が多く反映されますので、

 

どうか温かい目で見て頂けたら幸いです。